楽しいと楽は違う

 

「自分の好きを仕事にしよう。楽しいを仕事にしよう」

最近こんなことがよく言われますけども、ちょっとここは違うんじゃない?って話。

 

「たのしい」と「らく」っていうのは、同じ「楽」って漢字を書きます。ここが勘違いされやすいと思うんです。

ちょっと分からないですね。もう少し詳しく書きましょう。

 

人は変化することで成長します。変化こそが成長なわけですが、あんまり楽しいを求めると、この変化が鈍ると思うんです。

ルーティンてありますよね。イチローがバッターボックスに立ったときに毎回同じ動きをするあれとかが、代表的なものだと思いますが。

【ルーティンの意味】ルーティン(routine)とは、決められた一連の動き、決められた一連の動作

 

人はルーティンの奴隷です。毎日決まったルーティンワークをこなすのが、一番楽だと感じます。

決まった生活パターン。決まった仕事。これをこなしてるときが、一番楽でしょう。

で、これを楽しいって感じ始めると危ないと思うんです。

 

毎日自分が楽しいと思うことをする→毎日が決まった感じになる→ルーティンの奴隷になる→楽だわ→成長なし

 

まあこんなパターンになるのを危惧してるわけです。

そう。楽しいと楽は違うんですよ。楽しいはいいんですが、そこに楽を感じちゃうと成長はないんです。

 

職人なんかが、正にこのパターンになってますね。

一生をかけてひとつの仕事を極めようとする職人。世間ではこんなイメージでしょうが、これってほとんどの職人には当てはまりません。これ間違いなく。

毎日同じ仕事をしながら、技術や知識を高めてくって、一見すごいことのようですが、実は楽です。あれ楽なんです。

本人は楽しいを仕事にしてるでしょう。でもそれと同時に楽をしています。

 

いわゆる世間の「職人さん」にお聞きしたいんですが、あなたの技術は伸びてますか?仕事のクオリティは高まってるでしょうか?体力バリバリの頃よりも、仕事の総合力、トータルでの力は衰えてませんか?

これにNOって言う方は、ごめんなさい。失礼しました。でもこれに悩む方は問題ありですね。楽しいから楽へと流れてます。

 

これは断言しますけど、窓拭きの職人さん、この99%は楽に流れてます。楽な方向に逃げてます。

僕は窓拭きに青春をかけてたし、今も窓拭きの会社を経営してるから、これを如実に感じます。

「一芸を極めようとする職人」て枠に逃げ込んでるだけで、そこに成長はないんですよね。

他にも同じような「自称職人さん」は多いんじゃないでしょうか?

 

楽しいを仕事にすることはいいことです。嫌いなことよりも何倍も集中出来るし、生産性も桁違いに上がるでしょう。

でもそこで楽を感じちゃダメなんです。それは自分の成長を阻むから。

 

好きなことだからこそ、絶えず憂鬱に向かって行かなきゃダメなんですよ。

これ上手く言えないですけど、とにかくそういうことなんです。好きなことをしてるからこそ、憂鬱なことに立ち向かっていかなきゃいけません。そうしないと成長はない。でないと楽しいが楽しいではなく、単なる楽になっちゃいます。

 

えー、詳しいことは、この本にも書いてますね。僕の何倍も説得力あるんで、ここはこれに丸投げしながら終わりましょうw