事故の原因と対策ってなんですか?

 

続きですお。

ロープ作業が法令化されるって話を聞いたお - ホーリーの普通の日記

 

そもそも今、窓拭きしてるときの死亡事故って、どのくらい起こってるんでしょう?正確な数字って誰か分かってるのかな?

協会に加盟してる会社の事故件数は分かってても、非加盟の会社まで含めた件数って正確には分からないんじゃないでしょうか?

んま、会社数に対する割合でいうと非加盟の方が多いですからね。なかなか正確に把握するのは難しいと思います。

 

このブログにはこんなこと書いてありますね。

過去10年間のブランコ作業の墜落死亡災害は、東京だけで16件も発生しています。 

 FTGロープアクセス » ロープ高所作業の法制化で、ブランコ作業の墜落災害は減るだろうか?

 

この数字が多いのか少ないのかって話の前に、事故の内訳、内容が大事だと思います。

それって作業員に対する講習で改善されることなのかと。

 

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ロープを使って窓を拭く場合、作業員は屋上にある丸環ってやつにロープを結びます。

んま、こんなやつですね。これが屋上に打ち込んであるんですよ。見たことある人も多いんじゃないでしょうか?

基本的には消防法で設置が義務付けられてるんじゃなかったかな?火災のときに消防士さんがロープで救助するために。

 

まあ、こんなのがあって、これにロープを結ぶわけです。

んで、万一抜けるだったり荷重の分散も考えて、メインロープを2点から。補助ロープ(命綱)も2点から取るのが推奨されてたはずです。通称4点取りみたいなのが。

 

ただ現実問題は、そんなに豊富に丸環があることも少ないし、作業効率の問題から、4点取りなんてやってる人は皆無です。99%いないでしょう。

管理会社みたいなとこの安全パトロールが来たときだけ、慣れない手つきであることがほとんどで。

 

えー、言いたいことから少しずれたな。

で、この丸環ですが、ほとんどないとこもあるんです。もう降りるにはこの1個しかないぜ、みたいなとこが。

そんな丸環にロープをセットして毎月作業してた、んで10年目のある日に急に丸環が外れて落ちて死んだ。なんて事故もあるんですよ。

 

この場合の原因と対策ってなんなんでしょ?

 

作業員は毎回丸環の確認を入念に行うこと。もちろんこれはしなくてはいけません。

毎回きちんと確認してれば、異常に気付く可能性も高まりますからね。

 

んでも、それと同時に丸環の定期点検、または打ち替えみたいなことも定期的にやらなきゃいけないんじゃないでしょうか?これはもちろんビル側の責任として。

さらには屋上に丸環が少ないところ、さらにはないところまであるんで、そういうところには豊富な設置を義務付けるとか。

 

言いたいのは、作業員の出来ることなんてたかが知れてるってことなんです。

 

そもそも、ほとんどのビルはメンテナンスを考えた設計になってません。そのせいで、ただでさえ危ない窓拭きの危険度が上昇しています。

窓拭きのことなんて考えてない複雑な構造のビルで、どうにかこうにか作業するなんて、根本が危ないでしょ、と。

 

作業員への講習も大いに結構なんですが、こういうところに同時に改善しないと、なんの効果もないと思います。

 

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長くなったけど、ついでなんでもうひとつ。

 

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ロープではないですが、窓拭きにはこんな作業もあります。

屋上からロープでアプローチ出来ないときだったりに、直接窓を開けて、身を乗り出して窓を拭くって作業、通称「乗り出し」なんて言いますけど。

(ちなみに動画のモデルは僕です)

 

えー、この動画ですが、これ8階です。落ちたら即死するって状況。んで安全対策は皆無です。

てか、この乗り出しの場合、基本的に安全対策のしようがないんです。

命綱を取るようなところもないんで、作業員の注意ひとつ、気をつけようって心掛けひとつで作業しています。

 

これでもしバランスを崩して落ちた場合、原因と対策はなんでしょうか?

 

思うに、ビル側が安全を確保出来るものを、窓の脇に設置してくれるのが一番じゃないでしょうか?

それに命綱を取れば、落ちて死ぬことはないですから。

 

でも、そんなことしてくれるビルって、どれだけあるでしょう?

まあないですよ。いちいち窓拭きのために、全ての窓に安全を確保するアンカーみたいなものなんて打ち込みません。

打ち込んでたまるか!!って話ですよ。

 

さあ、じゃあこの乗り出しはどうしましょう?

やらないのが一番?そしたらその窓は一生作業しないってこと?

 

窓拭きにはこういった側面が強いので、作業員に出来ることの限界があるんですよ。

講習をするときも、その辺前提で行ってくれないと、なんの意味もありません。

 

効果ゼロでしょ。