フランシスコ・ブスタマンテを見て分かるビリヤードの面白さ
ビリヤードって最高に面白いゲームなんですが、少し上手くなってくると、みんなつまらないことを気にしすぎです。
やたらと厚み(狙い)を気にしたり、キューが真っ直ぐ振れてるのかを気にしたりしますが、そんなことはどうでもいいんです。
Don't think. Feel 考えるな、感じろ。これでいいんです。ビリヤードっていうのは感性のゲームですからね。
そもそも、どれだけキューが真っ直ぐに振れたからって、手球の真ん中を捉えてないといけません。そうしないと手球は真っ直ぐに転がっていかないでしょう。
んで、人間に本当のど真ん中は無理です。手球の真芯を狙って捉えるなんて、プロでも難しい。
さらに言えば、入る厚みっていうのも、その都度変わります。初級者は厚みばかり気にしますが、あれも非常にナンセンスです。
球同士には摩擦、ビリヤード用語で言うところの「スロウ」がありますからね。これがあるから、厚みは都度変わるんです。
例えばこういう配置があるとしましょう。
この場合、1番ボールのどこに当てれば入るのかって、大体は決まってるんですが、ここって言う正解はありません。
仮に1番の同じ所に当たったとしても、強く撞いた場合と、弱く撞いた場合で変わります。強く撞いたら入ったけど、弱く撞いたばかりに外れたってこともあるんですよ。
こういうとき、初級者の人は厚み(狙い)ばかり気にしますが、本当はそこではありません。
強く撞くよりも弱く撞いたときの方が、球同士の摩擦が大きいんです。
だから上の画像のケースの場合、正しいとされる厚みに当たっても、手球のスピードを弱いと、1番は右に外れます。摩擦で手球の進行方向に1番が引っ張られるわけですね。
まあこのスロウっていうのは、上記画像の場合、手球の右をヒネると解消されるとか、色々あるんですが、そんなこともあれですよ。
感覚です
ビリヤードは感性のスポーツですからね。決して計算がどうの、物理がどうのって話しじゃないんです。
さあ、前置きが長くなりました。
ここでフランシスコ・ブスタマンテっていう、ビリヤード界のスーパースターを紹介したいと思います。
この人も前に紹介したレイズと同じフィリピン人。レイズが日本で言う長嶋さんならば、ブスタマンテは王さんってところでしょう。現地では、超が付くほどの有名人です。
ビリヤード界のスーパースターを紹介するぜ - ホーリーの普通の日記
(リンク先の動画がなくなってる。。)
ブスタマンテと言えば、もうビリヤードやってる人は全員が知ってるでしょう。世界に名立たる破壊王。ブレイク最強の男です。世界チャンピオンにもなってますね。
んで、このブスタマンテ、非常に個性的な選手なんですよ。ブレイクが強いのはもちろんなんですが、そのフォームも独特です。
まず分かりやすいところで言うと、手球とキュー先がめっちゃ離れてます。
ここですよ。ここ。
普通は、上手くなればなるほど、素振りをしてるときのキュー先と手球の距離は近くなるんですが、ブスタマンテに限っては、そんなことありません。てか世界一離れてるんじゃないでしょうか。
今日初めてビリヤードをやったって人でも、もう少し近いと思いますよ。
んでもなんでだか入っちゃうんです。ブスタマンテはシュート力が高いんですよ。
近づければ近づけるほど、狙ったところを撞けるから、一般的にはいいとされてるんですが、ブスタマンテには関係ないみたいです。やっぱスーパースターは違いますね。
んで、さらに言うとあれです。ブスタマンテはいつも手球の左下に構えます。
初心者の場合は真ん中でしょうか。それが一番多いですよね。
ちょっと出来るようになると、上下左右と色んなところを撞くようになるので、そこに対して構えるんですが、ブスタマンテだけはいつも左下なんです。
んで、実際に撞くところは違うっていう、この素晴らしさ。
自分の癖を見越して、そこに構えてるらしいですけど、たまに手球がない場所に構えてたりしますからね。もう見てるこっちはサッパリ分かりません。
そんな素敵なブスタマンテですが、オススメ動画はこれです。
ドイツ人の元世界チャンピオン、オリバーオートマンとの一戦。
この動画を見ると、ビリヤードは感性なんだってことが、よく分かると思います。
てかもう、どこ狙ってるのか分からないでしょw
しかしブスタマンテはストロークも超独特。普通は動かしてはいけないとされてる肩が、アホみたいに動いてますね。
肩支点のストローク。強烈なブレイク。柔らかい手球。
やっぱブスタマンテは最高です。